みなさんは自分の携帯電話番号をスラスラと言えるでしょうか?
私の場合、簡単にいうことができます(もちろんここでは言うことができませんが…)。
日本の携帯電話の番号は090−○○○○−○○○○といった具合に、11桁の数字で構成されています。大抵の人は自分の携帯電話番号を尋ねられた時、自分の番号をおそらく5秒以内には答えられているのではないでしょうか。しかし、もし次のように聞かれたら5秒以内で答えることができるでしょうか?
Can you tell me your phone number, please?
もし、躊躇なく英語で11桁の携帯電話番号を簡単に答えることができたなら、あなたはそうとうの英語の実力の持ち主だとお察しします。このブログを読んでいる多くの人はこの課題を難しく感じているのではないでしょうか。
音声知識とは
日本語と英語で回答時間に差が出てしまうのは、「音声知識(phonetic knowledge)と呼ばれるものの差にあると考えられます。携帯電話番号は日本語でも英語でも頭の中に描く数字は同じです。しかし、日本語で番号を答えている時、はたして頭の中に数字を思い描いているでしょうか?
私の場合、数字を思い描くことなく自分の番号を答えることができています。これは、私の頭の中に「日本語の音声知識」がしっかり備わっているからです。簡単に言えば、日本語の音声イメージが頭の中にしっかりと入っているからなのです。私は英語で番号を答える時は、そこまで流暢に答えることができません。これは私の頭の中の「英語の音声知識」が日本語のそれと比べてまだまだ未発達で、英語の音声イメージを十分に思い描くことができていない、と言えるかもしれません。
この「音声知識」ですが、その言語特有の「発音」や「リズム」、「イントネーョン」などの特徴に関する無意識的な知識のことを指します。外国語の習得には、この音声知識を増やしていくことが必要だと考えています。英語の音声知識が豊富な人は、頭の中に多くの英語の情報をためておくことができます。
頭の中から英語の情報を引き出す際は、「音声の印象(phonetic impression)」と呼ばれる一種の「手がかり」を参照して記憶を引き出すことになります。携帯電話の番号を日本語でスラスラ言うことができるのは、頭の中にある「音声の印象」にアクセスし、記憶を引き出しているのではと考えています。
「音声知識が豊富である」ことは英語の能力のひとつだと思います。頭の中にたくさんの英語を蓄えておける人は、音声知識が豊富にあります。では、どのようにしたら音声知識を豊かにできるのでしょうか。次回は、音声知識を向上させるためのトレーニング方法の音読(とりわけシャドーイング、リード・アンド・ルックアップ)について書きたいと思います。
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