【授業紹介】新たな環境での授業など


このタイトルは私が4月から今までとは違う仕事をしているかの印象を与えているかもしれませんが,基本的に「英語を教える」という性質は変わっていません.講師という立場に変わったので,基本的に授業の「準備」と「実践」しかしていません.今年は中学生と大学生を教えています.

中学生は週2コマの科目を7クラス(丸々ひと学年)担当させてもらっています.総合英語に当たる授業で,『English Discover』という教育開発出版のテキストを使っています.教科書というよりもどちらかというとタスク重視の総合問題集.一応文法系統で分けられていますが,いわゆる「文法ドリル」のような問題はほとんど見当たりません.論理パズル的なタスクが多く,なかなか頭を使うことが求められます.執筆陣は中高の先生だけというこだわりの感じられる一冊です.

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(https://www.kyo-kai.co.jp/special/chuukou-eigo/)

テキストに基づいた昔ながらの文法演習を授業で全くやらないのはやはり不安なので,以前にまとめて作成しておいた瞬間英作文のQuizlet教材を使うことにしました.幸いなことに,教室にはプロジェクターとマグネット型スクリーンが設置されているので,進度にあった身につけさせたい文法モジュール教材を映して「日→英口頭英作文練習」(中1中2中3)をさせています.「5秒以内に言おう!」を目指して,毎回5人程度当てています.文字を見ながら一息で音読.その後スクリーン上のフラッシュカードを裏返して,文字を見ないで復唱,という流れ.数名の生徒を当てる前には,ペアまたは各自で,印刷した例文リストを使って練習をさせます.発音に関する質問などはその時に受け付け,教室を巡回します.前年度までの担当者が意味順の指導を徹底してくれていたおかげか,これらの活動はスムーズにできている気がします.

さて,使用している『English Discover』というテキストは,教えている集団のレベルを考えるとやや薄いので,プラスαの活動として多くのハンドアウトを使用しています.テキストの問題を解かせてから,同じパッセージを再利用します.

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上記ファイルのような形でパッセージを再利用しています.意図した音声現象を意識させながら行うティクテーション活動は,昔からやっている私の「十八番」です.提示する英文はスピードを変えながら生徒の様子を見ながら3回程度私が読み上げます.

そして6箇所程度おかしな英語を仕込みます.該当箇所を探して直させる活動です.このファイルは答えあわせ用に作成したもので,間違った箇所を赤字にしてあります.スクリーンに提示しながら答えあわせと解説をします.内容理解問題の多い長文読解教材だけやらせていても,「形式を意識しながら読む習慣」はあまりつかないなぁと思ったのでこのような活動をすることにしました.ちなみにこちらのフォントは以前Twitterでも呟いたdyslexieです.一目惚れしたので使っています.以下のサイトで有料ダウンロードできます.

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(https://www.dyslexiefont.com/)

 

一方,大学生の授業は半期のTOEFL ITP対策講座を担当しています.テキストは『Power-up Trainer for the TOEFL ITP』(センゲージ・ラーニング).

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(http://cengagejapan.com/elt/Exam/page/?no=12567122127yhsx)

こちらは,各Unitに実践のTOEFL ITP試験の形式を模したリスニングとリーディングの問題が交互に登場します.テキストの問題演習の後に,配布ハンドアウトには,扱ったパッセージに登場した語彙リスト(Quizletで作成)と和訳,そして付属CDの音源のリンクをQRコードにして載せています.テキストに付属しているCDって,昔から躍起になって購入させたり,「家でCDを聞くのだぞ!」と口を酸っぱくして言ってきたのですが,いろいろと調査してみると,ちゃんとCDを開封して聞いてない人もいるようなんですよね.最近は音声もクラウド上でシェアできますから,そのリンクをCDも購入していて聞く権利のある学生たちに素早くアクセスできるようにした工夫です.先ほどの『English Discover』もテキスト内にパッセージの音源へのリンクがQRコードで示されています.著作権さえ気をつけていればこれはかなり便利だと思っていますが,現場の先生はどのくらい活用されているでしょうか.「QRのススメ」のようなサイトで,URLを簡単にQRコードに変換することができます.

これは私の性格からなのか,大学生に対しても扱ったパッセージはある程度ちゃんと解説してあげたいという気持ちが強いので,パワポでリーディングパッセージを読みやすいチャンクに細分化,手元の和訳と語彙を参照させながら私の後に続いてチャンク・リーディングで音読させています.授業で使用したパワポは後日Google Classroomで共有.学生は6月にTOEFL ITPを受験して一定のスコアを取らなければならないので,パッセージに登場した語彙などは小テストを実施.などなど.

最近知ったのですが,Quizletは「印刷」機能というのがあって,作成したカードを一覧にしたpdfが簡単に作れてしまうのですね.いろいろと電子化した世の中になっていますが,やはり印刷したものの良さも捨て切れません.ということで私は欲張って両方使っているといった感じです.Quizletのpdfは以下のような感じ.

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大型連休を前に,だんだんと生徒や学生の特性が掴めてきたので,少し授業もやりやすくなるのかなと思っています.これからが本番.マンネリ化させないように頑張ります.トップのサムネイル画像は自宅での作業効率を図って購入したドルチェ・コーヒー・マシン!(笑)


takeondo
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英語教師。学生時代に英語音声に魅了され、英語教師の道へ。とりわけ関心があるのは、英語のプロソディ(超分節音的側面)とよばれるリズム、イントネーションなど。英語朗読、英語落語にも興味があります。 Certificate of Proficiency in the Phonetics of English 2nd Class 趣味:囲碁(四段)、ランニング(ハーフ1時間30分/フル3時間40分)

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