【朗読指導その2】Anne of Green Gables


東洋英和学院のレシテーションコンテストが終わりました。幸いにも私が指導していた生徒は予選を通過し、昨日の本選に参加することができました。私は担当している別のクラブの合宿があったので(合宿先から休憩時間を利用して更新しております)、参加することができませんでしたが、遠い地から応援をしておりました。大会が終わったので、指導の過程で思ったこと感じたことなどを綴りたいと思います。

事前に生徒から課題の英文を見せてもらいましたが、なかなか難しい英文でした。忙しいといったこともあり、直接生徒と会って指導はできませんでしたが、メールのやりとりで音声ファイルを送ったり、お互いの解釈を交換しました。

今回も指導する過程で、しっかりと原文や訳文に目を通す時間がなく、形式的なアドバイスしかすることができませんでした。本選で使用されたのは以下の抜粋です。

 

In the new teacher she found another true and helpful friend…
‘I love Miss Stacy with my whole heart, Marilla. She is so ladylike and she has such a sweet voice. When she pronounces my name I feel instinctively that she’s spelling it with an e. We had recitations this afternoon. I just wish you could have been there to hear me recite “Mary, Queen of Scots”. I just put my whole soul into it. Ruby Gillis told me coming home that the way I said the line, “ ‘Now for my father’s arm,’ she said, ‘my woman’s heart farewell,’ ” just made her blood run cold.’

‘Well now, you might recite it for me some of these days, out in the barn,’ suggested Matthew.

‘Of course I will,’ said Anne meditatively, ‘but I won’t be able to do it so well, I know. It won’t be so exciting as it is when you have a whole schoolful before you hanging breathlessly on your words.

Montgomery, L. M. (1994). Anne of Green Gables. Ware, Hertfordshire, UK: Wordsworth Editions Limited, p. 176. Original work published 1908.

 

簡単に内容や使われている表現について解説してみます。

信頼している教師ミス・ステイシーについてアンが語っている場面です。アンの名前はAnneと綴るのですが、この作品を通して主人公のアンは自分の名前の最後に-eの文字をつけて発音することにこだわっています。

アンが『スコットランドの女王メアリー』という詩を暗誦した時に、友人のルビー・ギリスが感激して「血が凍るような気がした(The way I said the line ~ just made her blood run cold)」と言っています。”coming home”はon our way homeといった意味です。

some of these daysは「近いうちにいつか」という意味で、似た表現でone of these daysと言うこともあります。

It won’t be so exciting as it is when ~「〜の時ほど緊張しない(興奮を呼び起こさない)だろう」と”not so ~ as …「…ほど〜ない」”という構文が使われています。

schoolfulというのは「全校生徒」を表す単語のようです。

hang breathlessly on ~で「〜をかたずをのんで待ち構える」といったところでしょうか。手すりか何かに身をまかせて(ぶらさがるような感じで)集中して話を聞こうとしているイメージだと思います。村岡花子訳によれば、最後の一文は「全校の人たちが目の前にずらっとならんでいて、かたずをのんで一句一句に聞きいっているときみたいには緊張しないでしょうからね」と訳されていました。

 

このパッセージの朗読で難しいと感じたのは、アンの朗読にルビー・ギリスが感動したのだと、アンが叔父のMathewに伝えている場面です。アンは叔父のMathewにルビー・ギリスが感動したことを間接話法(Ruby Gillis told me(中略)that …)で伝えていますが、実際にアンが暗誦をした詩の一節には直接話法(’Now for my fahter’s arm,’ she said, ‘my woman’s heart farewell’)が登場します。「間接話法の中で直接話法が登場する」という、ちょっと複雑な構造になっています。こうしたことを、「読みかた」だけで伝えなければなりません。

 

さて、こうしたことをうまく考慮して読めているかどうかはわかりませんが、生徒に頼まれたこともあり、朗読してみました。例のごとくBGMを入れています。体調が最悪の状態で撮ったので、かなり鼻声です(笑)。お許しください。

 

生徒とのメールのやりとりで、私が意識した細かい注意点を簡単にまとめておきます。

 

  • “Mary, Queen of Scots”はあたかも一語のごとく読むということ
  • “Now for my father’s arm, my woman’s heart farewell”のような場合、myは強調して読むことが多いということ
  • マシューのセリフはsuggestionっぽく、最後のbarnで、下降上昇調のイントネーションを用いたということ
  • アン最後のセリフにも最後のwordsで下降上昇調のイントネーションを用いたということ

 

最後の2つに関しては、好みがあるかもしれません。あくまでもひとつの例。

 

今回はここまで。では〜。

 


takeondo
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都内の私立学校に勤務する英語教師(英語科教諭)。学生時代に英語音声に魅了され、英語教師の道へ。とりわけ関心があるのは、英語のプロソディ(超分節音的側面)とよばれるリズム、イントネーションなど。英語朗読、英語落語にも興味があります。 Certificate of Proficiency in the Phonetics of English 2nd Class 趣味:囲碁(四段)、ランニング(ハーフ1時間30分/フル3時間40分)

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