英字新聞でTOEICを克服する方法①


「グローバル社会」という言葉が使われるようになって、学生も就職前にTOEICなどの英語能力試験を受ける人が増えてきました。私が教えている高校でも、受験をする生徒は多くなってきました。

 

 

「TOEICって何を勉強したらいいですか?」

 

 

と、よくこんな質問を受けます。

 

正直、「試験慣れ」という要素もあるので、一概には言えないのですが、何度か受験しているのになかなかスコアがあがらない人(目安として700以上取りたい人)に決まって話すことがあります。

 

 

英字新聞を購読する


大学で英語を勉強したことがある人なら、英字新聞に触れたことがある人は多いのではないでしょうか。しかし、毎日継続して英字新聞を読んだことがある人はどれくらいいるでしょうか。もしTOEICの点数を飛躍的に伸ばしたいのなら、私は「英字新聞を購読すること」をおすすめしています。

 

 

「どうせ長続きしない」 「あんな大量の英文を1日で読めるはずがない」 「お金がもったいない」

 

 

英字新聞の購読をしたがらない人の理由は様々なものが考えられますが、たいていはこういった理由が目立ちます。金銭的にも購読となると1ヶ月に支払うお金が3,000円〜5,000円ほど発生しますので、当然こうした不安はつきまといます。

 

しかし、英字新聞を毎日継続して読んだことががある人ならわかると思いますが、効果は絶大です。自己投資をするつもりで始めてみませんか?

 

 

購読する英字新聞の条件


英字新聞といっても、日本で販売されているものはいくつかあります。The Japan Times、The Japan News(旧Daily Yomiuri)、The International Herald Tribuneなど、さらにもう少し手を伸ばせばバリエーションは豊かになります。しかし、以下の条件を満たしていればどれでも構いません。

 

  1. 日刊紙であること
  2. 日本の身近なニュースを扱っていること

 

 

1.日刊紙であること

まずは日刊紙であることが重要です。Asahi WeeklyやMainichi Weeklyなどの週刊紙もいいのですが、日刊紙のほうが圧倒的にup-to-dateで豊富な英語に触れらます。週刊紙を買って、一週間徹底的にその週の発行号を読み込む、ということも考え方によってはアリなのかもしれませんが、日刊紙を毎日少しずつ読むことを一週間継続するほうが、語彙などの定着力に圧倒的な差が出るのです。

日刊紙の一面には日々世間で話題になっているニュースが取り上げられます。こうしたニュースはしばらくの間紙面を賑わせることが多いので、「同じジャンルの記事を毎日継続して読むことができる」というのが日刊紙を購読するメリットになります。1日前に紙面で見た単語、熟語、表現などが、翌日の紙面にも登場します。頭の中に蓄積する語彙や表現は短期間でどんどん増えていきます。

 

 

2.日本の身近なニュースを扱っていること

また、身近なニュースを扱っている英字新聞であるいうことも重要です。毎朝テレビでやっているニュースは日本の英字新聞でも取り上げられます。あらかじめ日本語で得た知識を使って英字新聞を読むと、スムーズに英文を読むことができます。話の骨格がわかっていれば、単語や文構造などの「英語そのもの」を覚えることに脳の負担を割くことができるので、語彙や表現などを比較的楽に覚えられます。

このように、身近な話題を扱っている英字紙を購読することで、「背景知識」を活用して英語学習を促進できるというメリットがあります。

 

 

1日30分だけ英字新聞を読む


英字新聞を購読するとプレッシャーが一気に襲いかかってきます。それは、「大量の英文を読まなければならない」という強い義務感のようなものです。こういうプレッシャーはまじめな人ほど強い傾向があります。

しかし、よっぽど暇な人でない限り、新聞内の文章をすべて読むことはできませんし、そもそも読む必要もありません。大事なことは目的を持ち、毎日継続して英字新聞を読み続けていくことです。この記事を読んでいる人は、「TOEICスコアを上げるため」もしくは「英語力を上げるため」に英字新聞の購読をしようとしているわけですから、もっとスマートに英字新聞と付き合っていかなければなりません。

 

そこで、私がおすすめするのは「毎日30分だけ集中して英字新聞を読む」ということです。

 

学生も社会人も忙しい人が多い世の中ですから、1日に特定のことに費やせる時間は限られています。もちろん、時間があってやる気がある人は1日に2時間も3時間も英字新聞を読むことは可能かもしれませんが、果たしてそうした学習を長期にわたって続けられる人はどれくらいいるでしょうか。何事もそうですが、ひとつのことを一定期間続けられない人は何をやっても効果は期待できません。英字新聞購読もまた、肩に力を入れすぎずに始めてみるくらいががちょうどいいのです。

 

「1日30分英字新聞を読む」

 

ぜひ、これを3ヶ月続けてみてください。必ず効果がでるはずです。

 

 

次号では私が英字新聞を読むときに心がけていたことについてお話します。


takeondo
About takeondo 57 Articles
英語教師。学生時代に英語音声に魅了され、英語教師の道へ。とりわけ関心があるのは、英語のプロソディ(超分節音的側面)とよばれるリズム、イントネーションなど。英語朗読、英語落語にも興味があります。 Certificate of Proficiency in the Phonetics of English 2nd Class 趣味:囲碁(四段)、ランニング(ハーフ1時間30分/フル3時間40分)

2 Comments on 英字新聞でTOEICを克服する方法①

  1. 初めてコメントさせて頂きます。「日本語で予め読んだ新聞記事を英字新聞でも読んでみる」私も毎朝実践してます。私は日々、英語での会話を通してボキャブラリーが少ないことを痛感するので単語に重点を置いてます。しかし、同じニュースの内容であっても日本と諸外国の報道に違いがあり、「記事を比較」しながら読むのも楽しいです(日本の報道がいかに制限されているかが英語初心者の自分でも気づくことがあります)。私は旦那がNew york times派なので、これがメインで、その他、BBC,the Atlantic,the guardianを回し読みしております。統一したほうがよいですかね、、?そこは、あまり気にせず、、?これからも日々少しずつ読んでいきたいと思います。

    • Kanakoさん
      こんにちは。コメントありがとうございます。
      Kanakoさんは海外在住ですよね?私自身そうした経験がないので、少し観点が異なるかもしれませんが、「身近な共通のトピック」をいろいろな角度から読んでみる、というのは英語学習の上で重要な考えだと思います。同じトピックの記事なら、使用される語彙や表現は同じものが登場する確率が高いですし、そうした英語はすぐに身についていきます。したがって、「毎日継続でき」「時間が許す限り」という条件ですが、複数の英字紙を回し読みすることは語彙力向上にはとてもいいことだと思います。継続できれば、必ず効果は期待できます。

      上に書いたことは、いわゆるリーディングの王道的学習方法です。次号で書こうと思いますが、この王道的学習方法に加えて「自分で容易に音声化できる」ことということも、こうした学習を促進する要素になります。「発音を自分ですぐに調べられる」ことも重要だと思っています。

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