英語朗読セミナーと寄席


新学期が始まり、ドタバタしているうちに更新が滞っていました。

今日は簡単に近況報告だけさせていただきます。

 

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夏休みが終わってすぐに、英語の朗読セミナーと寄席に行ってきました。英語朗読は私が英語教師になる前から取り組んでいるいわばライフワーク。本気で朗読を始めるきっかけになったのはNHK国際放送の元英語アナウンサーの青谷優子さんでした(詳しくは【教歴10年目の英語教師が語る】私の人生を変えた英語学習の歩みを参照)。以前よりメールやSNS等でやりとりはさせていただいていましたが、常日頃から青谷さんに実際にお会いして美しい生の英語を聞きたいと思っておりました。今回はようやくその夢が叶いました。

青谷さんについて簡単にご紹介させていただくと、3月でNHKをご退職されて、現在はフリーのバイリンガルアナウンサー、英語朗読家として活躍されています。青谷さんの英語の発音は、それはもう美しいBBC English。ご本人はSouth-London-meets-Tokyo type of accentとおっしゃっていますが、こうした青谷さんの英語で読まれる朗読には他の方の朗読とひと味もふた味も違う深い味わいがあり、私は青谷さんが英語で読まれる「日本の文学作品」は日本一だと思っています。

 

朗読セミナーでは芥川龍之介の『蜘蛛の糸』と宮沢賢治の『雨ニモマケズ』(どちらもRoger Pulversさん訳)を題材にレッスンが始まりました。どちらもある程度慣れ親しんだ作品でしたが、やはりたいへん勉強になりました。セミナー自体は英語で行われたのですが、説明に迫力があり、圧倒されっぱなしでした。青谷さんの朗読を初めて聞いたのがまさにこの『蜘蛛の糸』だったので、感激もひとしおでした。

 

夜からは英語落語家の喜餅さんの「英語落語 どまんなか寄席」に参加しました。こちらでも、青谷さんは小泉八雲のKwaidanから「狢(ムジナ)」と「雪女」の朗読を三味線の演奏とともに、大迫力で披露してくださいました。

 

青谷さんの朗読もさることながら、喜餅さんの落語もたいへん楽しいものでした。最近、英語落語に注目していたので、実際に見ることができて本当によかったです。

 

今回のセミナーと寄席を通して、人を惹きつける英語とは何か、考えました。朗読も落語も共通するのは、ことばの「リズム」と「間」が大切だということです。教壇においても同じことが言えます。英語朗読や英語落語には、英語教育に必要なものがたくさん詰まっています。こうしたものに、もっと多くの英語の先生に興味を持ってもらいたいと思っています。

 

昭和の英語教育者、五十嵐新次郎氏は「教育的娯楽・娯楽的教育」を目指していました。日本が明治から続けている「一斉指導型」の教育は、時にこうした側面を無視し、機械的に多くの人間にひとつのことを効率的に教え込もうとしてきました。そろそろこうした形の教育に限界はきているような気がします。外国語の授業は学習者に「楽しみ」を与えながら動機付けを与えなければいけません。そして学習者が自ら主体的に学ばせないと身に付けることはできません。

 

10年間英語教師をやってきてわかりましたが、日本の学校の英語の先生の英語力はまだまだです。「もっと勉強を」というよりも、もっと練習しなければなりません。生徒を惹きつける話し方を研究して身に付けねばなりません。

 

英語の先生には大きく分けて4つのタイプがあると言えます。

 

  1. 教材の研究はするが、自分の英語力は高めようとしない(英語力が低い)先生
  2. 自分の英語力は研鑽するが(英語力が高い)、教材の研究をしない先生
  3. 自分の英語力を研鑽し、かつ教材の研究もする先生
  4. どちらもやらない先生

 

年齢を重ねてくると1、4のタイプになることが多いような気がします。若い先生は、ちょうど1、2で半々くらいに分かれるパターンが多いでしょうか。ごく稀に3のタイプの先生にお会いして衝撃を受けます。現場の先生は毎日とても忙しいと思いますが、常に3つ目のタイプの先生を目指したいものですね。ちなにみ、最近の自分自身を自戒を込めて当てはめてみると、常に3は目指そうとしているものの、若干2に寄っているタイプの英語教師といったところでしょうか。

いずれにせよ、1、4タイプ気味の英語教師のみなさんには、ぜひ英語朗読、英語落語といったイベントにも顔を出してもらいたいなぁなんて思っています。まあ、かたいことは考えず自分自身が楽しむことが一番大事ですよ!


takeondo
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都内の私立学校に勤務する英語教師(英語科教諭)。学生時代に英語音声に魅了され、英語教師の道へ。とりわけ関心があるのは、英語のプロソディ(超分節音的側面)とよばれるリズム、イントネーションなど。英語朗読、英語落語にも興味があります。 Certificate of Proficiency in the Phonetics of English 2nd Class 趣味:囲碁(四段)、ランニング(ハーフ1時間30分/フル3時間40分)

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